物理⑤ 

今回は力学量の話第二弾として運動エネルギーについて説明しようと思います。

運動エネルギー

運動エネルギーも、運動方程式 F=ma から派生したものです。

発想としては運動方程式の両辺に 位置rまたは速度v をかけてみて、なにか情報が得られないかというようなものです。まず、位置rをかけてみます。

F・r=(m・dv/dt)・r

=d(mv・r)/dt-mv・v

(一行目から二行目の式変形は部分積分に似た変形をしています。両辺にdtをかけて積分の形にして、左辺とmv・vを入れ替えてみると部分積分の形になると思います。)

しかし、一般的にmv・v=0にはならず、値は変動してしまうのでこの関係式は扱いずらいです。

次に、運動方程式の両辺に速度vをかけてみます。

F・v=(m・dv/dt)・v

=d(mv^2)/dt-mv・dv/dt

(式変形は先ほどと同様にするとできると思います。)

太字の部分は同じものであるので、それを左辺に集めて両辺を2で割ると

m・dv/dt・v=d(mv^2/2)/dt

よって、運動エネルギー K=mv^2/2 と定義すると上の式は

dK/dt=F・v となります。

よって、運動エネルギーの変化量 ΔKは

ΔK=dK/dt・dt

  =F・v・dt

  =F・dr   (dr=v・dt)

つまり、運動エネルギーは力と距離変化の積である仕事Wによって変化することが分かります。